名古屋市専門の在留ビザ申請専門の行政書士・金丸洋です。

仮放免制度の趣旨
退去強制手続は,身柄の収容を前提として行われるところ,収容されている者について,病気その他やむを得ない事情がある場合,一時的に収容を停止し,一定の条件を付して,例外的に身柄の拘束を解くのが仮放免制度である。


対象者は、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている外国人になります。例えば、オーバーステイで収容されてしまったときなどです。

仮放免の許否判断
仮放免の許否は,仮放免請求等に基づき,個別の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案して判断されるものであり,許否に係る基準はないが,その許否判断に当たって考慮する事項は,出入国管理及び難民認定法第54条第2項及び仮放免取扱要領第9条において次のとおり定められている。


・被収容者の容疑事実又は退去強制事由
・仮放免請求の理由及びその証拠
・被収容者の性格,年齢,資産,素行,健康状態
・被収容者の家族状況
・被収容者の収容期間
・身元保証人となるべき者の年齢,職業,収入,資産,素行,被収容者との関係及び引受け熱意
・逃亡し,又は仮放免に付す条件に違反するおそれの有無
・日本国の利益又は公安に及ぼす影響
・人身取引等の被害の有無
・その他特別の事情

関係法令
出入国管理及び難民認定法 第54条第2項
仮放免取扱要領 第9条

仮放免許可申請書

入管-仮放免に関する現状

仮放免期間が長期化し、仮放免期間中に逃亡し行方不明になっている人も相当数におよび社会的問題にもなっています。

令和3年出入国在留管理庁スライド

 

仮放免中の人が逃亡し手配中の人数も400人を超える事態になっている。もちろん仮放免中の者は就労不可のため不法就労ということになるし、仮放免中に強制わいせつ罪や傷害罪などの事件で実刑判決で処罰されているケースもある。

また身元保証人として弁護士や支援者が付く場合も多いが、身元保証人の意味がなく数十人単位で逃亡者を出している弁護士も多い。金銭的関係を生じているのか不明であるが、一人で仮放免中の外国人を数百人も受け持つなど物理的に不可能だろう。

一国民として早急に制度の改善を期待したい。